朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
『えっ……どうぞ』
腕を広げる咲桜を見て、一言。
『……だから警戒しろよ』
『自分から言っといてなに!』
怒られた。
うーん……なんだか色んな方向から攻撃されそうだなあ。
『あー、うん。悪かった』
なんとも歯切れの悪い返しを受けて、咲桜はぶすくれた顔になる。
『ごめんごめん。……おいで』
手を差し出すと、咲桜は一瞬迷ったのちに取った。
こちらから引き寄せるように抱き込む。