朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】


耳元に唇を寄せて、そう囁いた。


『………』
 

きゅうこん。


『………』
 

咲桜が見上げてくる。


そう真っ直ぐに見られると……。


『咲桜の卒業までは一応秘密だから、ちゃんと公に出来るようになったらする。……それまで待ってくれるか?』
 

照れから早口になった喋り方に、咲桜はこくりと肯いた。
 

……それは、ちゃんと正式な形でしたいと思ってる。
 

ずっと一緒にいる約束の言葉を、咲桜に届けるために。


『……うん』
 

咲桜は小さな声で答えた。
 

その頬に、唇を落とした。

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