朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「………」
流夜くんは一転、無言でそちらを睨む。
降渡さんがカップを置いて近寄ってきた。
「りゅうが本命と初デートということで、尾行しに来ました」
「帰れ」
「冷たいこと言うなよー。俺んときもお前らついてきたじゃん」
「学生と一緒になるな。失せろ」
「やーだよ」
ふいっとそっぽを向く降渡さん。
その隙に逃げようとしても、たぶん降渡さんには効かないのだろう。
「諦めなよ、流夜。お返し一つあげるからさ」
続いて来た吹雪さんの言葉が謎で瞬いていると、吹雪さんは私を見てにっこり笑った。
「咲桜ちゃん、今日はまた大人っぽいね」