朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「咲桜、そいつに訊かなくていい」
「結構詳しいよ。変装術とか、マナちゃんから教え込まれてるから」
「お、教えてもらうことって、出来ますか……っ?」
知りたい。笑満と二人で頑張っていることだけど、私は相手が九つも年上だ。
意気込んで訊くと、不意に目の前が翳った。
「えっ?」
流夜くんの手が、吹雪さんに向く視線を邪魔していた。
「吹雪なんか頼らなくていい。……俺が一緒にいるんだから、頼れよ」
「………」
まだ開かない世界の向こうで、吹き出す声がした。
……あの、また笑われていますが。