朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】


「咲桜、そいつに訊かなくていい」


「結構詳しいよ。変装術とか、マナちゃんから教え込まれてるから」


「お、教えてもらうことって、出来ますか……っ?」
 

知りたい。笑満と二人で頑張っていることだけど、私は相手が九つも年上だ。
 

意気込んで訊くと、不意に目の前が翳った。


「えっ?」
 

流夜くんの手が、吹雪さんに向く視線を邪魔していた。


「吹雪なんか頼らなくていい。……俺が一緒にいるんだから、頼れよ」


「………」
 

まだ開かない世界の向こうで、吹き出す声がした。


……あの、また笑われていますが。

< 170 / 336 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop