朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
半歩下がって見ると、流夜くんも降渡さんも吹雪さんも、キラキラしい人たちの仲間なのだとわかる。
そして声をかけられても困った様子もないことから、慣れているのだとも。
キラキラし過ぎていて瞳が逸らせない。
むしろこんな場合なのに落ち着いている流夜くんには、やはり見惚れてしまう。
……普通は妬くんじゃないかな、とか思ってみる。
「咲桜」
すっと、流夜くんの手が私の指に触れた。
「あの……」
「大丈夫。吹雪に任せておけ」
え? と首を傾げるより前に、吹雪がふっと唇に笑みを見せた。
「君たち、僕に美しさで敵う気でいるの?」
え。