朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
後から駆けて来た松生は、どこか焦った声だった。
そしてまた、遙音を見て固まった。
「笑満?」
「あれ、笑満ちゃんもいたんだ」
遙音にも声をかけられた松生は、はっとして次の瞬間には逆方向に駆け出した。
「えっ、今度はなにっ?」
逃げ出した松生。
咲桜が肩を抱く俺を見上げてきた。
行って来いと瞳で答え、咲桜は腕を離れた。
「……なんなの、この集団」
呆気に取られたような遙音の呟きは、自分はその集団内部である自覚はないようだった。
悪いが俺に関わっちまってる時点も、お前もこっち側だ。