朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「うん。嘘。……優しさのために、私に嘘をつかないとこ、すきですよ」
「……じゃあ、これからもそうするか」
「そうですね。だったら、私ずっとすきでいるよ」
「……お前は素直って言うか天然で爆弾だから困る」
「へ? 爆弾?」
「気にしなくていい」
はらりと手を振られた。この話はもう終わりだということだろう。
少し店内を見て歩いたけど、うまくイメージがわかない。
首を隠すことばかりを前提で服を選んでいたからだろうか。
見つからなかったことを謝ると、なら他のとこへ行くかと簡単に応対してくれた。
成果のない長い買い物に付き合わされても文句言わないとは。
さっき流夜くんが口にした学生時代の姿と違い過ぎる。
どこでどんな変化があったらこうなるんだろう。
女性の服ばかりでも、つまらないだろうか思い、近くの複合ショッピングセンターを提案した。
近くに、笑満とこの辺りに来るとよく行くカフェがあるから、お昼はそこもいいかもしれない。