朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】


「流夜くんと在義父さんって、いつごろから知り合いなの?」
 

ショッピングセンターに入り、手を繋いで歩く。


並んでいるお店に入ってみるけど、私の意識は流夜くんにしか向いてくれない。


「俺が中学に入ったくらいだ。事件の被害者って括りで最初に龍さんに見つけられて、行く当てがなかった俺が龍さんの祖父のとこに預けられたんだ。小学生になる前の頃。

そこが吹雪の生まれ育った地元で、愛子ともそこで知り合いになった。降渡は俺の後にじいさん――龍さんの祖父さんとこに来た。在義さんとはその後、桜庭に入った頃だな。愛子の先輩って形で知ったから」


「龍生さんのおじいさん?」
 

なんでいきなりそんな人が登場するのだろう。


「降渡も家族亡くしてて、俺と一緒に龍さんの祖父さんに育てられたんだ」

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