朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「そうなのっ? 知らなかった……」
「それはあんまり言ってないからな」
「え、でも龍生さんのお祖父さんでしょ? 龍生さんって父さんと同い年だよね?」
「当時八十超えてたかな。すげー元気なじいさんだった。山駆けまわるし。猪狩るし」
「いのしし⁉」
か、狩るの⁉
「なんか、近くの村の人が飼ってた猪が逃げ出して野生化したとかだったかな。狩猟資格持った人がたまに山狩りしてたんだけど、じいさんは猟銃なんてないから鍬(くわ)持って山入って仕留めてきた」
「仕留めるの⁉」
「ああ。だから俺、猪は料理出来る」
「すごっ!」
「猪鍋(ししなべ)とか作らされた」
「なんかカッコいいと思うよ!」