朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
今は、在義父さん――夜々さんは『在義兄さん』と呼ぶ――の言いつけで流夜くんのことをばらさないと言っていたそうだが、二人の関係も含め、ばれるきっかけの危険性が一番高いのは夜々さんだった。
その、夜々さんに?
「……夜々さん相手だったら喧嘩売るようなもんだよ?」
「そのつもりだ。朝間先生には、宣戦布告――しておかないと、と思ってな」
「なんでそんな喧嘩腰なの!」
宣戦布告って!
「個人的な事情だ」
「……私が訊いてはダメ?」
流夜くんは結構開けっ広げに話してくれる。
けれど駄目なところは話さない。
しっかり線を引いてくれるのは、これ以上は駄目なんだとわかりやりやいけど、淋しくもある。