朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「……いつまでも、咲桜をもらえないのは嫌だからな」
「……へ?」
咲桜をもらえない?
クエスチョンマークが浮かぶと、流夜くんは苦い顔になった。
「朝間先生を咲桜の母君のように接するとか、無理だから。咲桜を護る位置は俺だけでいい」
「………」
それは……どういうことなのだろう……。
わからないでいると、流夜くんは軽く息を吐いた。
しょうがない。全部話すか、そんな顔だ。
「咲桜の母君は桃子さんだけだろう。母のような存在であっても、そうではない。それこそ、在義さんと結婚でもしない限り。……だから、喧嘩売るんだよ」
最後のにっとした笑いに、流夜くんの言いたいことがわかった。
私との仲を認めさせるついでに、発破をかけるつもりなのだ。