朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「……龍生、丸くなったよな」
「あ?」
「性格が、だよ。こんなことでうじうじしてたら、昔は俺のこと殴って追い返してただろ」
「……今もぶっ飛ばしてーのが九割九分だけどな。でも、ま。俺も護るモン結構あるしな。やたらに暴力しねーよ」
「……吹雪くんが思いっきりそこを継いでしまっただろう」
「過失だ。あれはどっちかっつーと愛子の所為だ」
「愛子ねえ……」
在義はカップに手を添えた。
「いい加減、愛子も俺に構わなくていいのに」
「無理だな。あいつ、未だにお前に恩返しどうの騒いでる。最終目的は夜々子との結婚、だろうな」