朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
流夜くんも家族を殺されたと言っていた。
先輩も同じように家族を亡くしているということか……。
『ご飯を作ってくれるような家族はもういない』、とも言っていた……。
「……話して、いい?」
「うん」
不安そうに揺れる笑満の声。
その片手を握った。
「遙音くんのお父さんの、仕事関係でトラブルがあったんだって。恨みを持った人が、夜中に侵入して、遙音くん以外はみんな、……殺された」
「………」
手を、握り続ける。