朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
しゃんとした顔をしてみせる笑満。
けど一転、好奇心の瞳で私を見て来た。
「ね、咲桜。それはもしかして流夜くんから?」
笑満の瞳が首元に輝くものに向いているのがわかって、はっと手で押さえた。
「や、やばいかな? 見つかるかな?」
「風紀? 大丈夫でしょ、うちは。ネックレスどころか指輪してる子だっているし」
進学校の名を呈するのだからガチガチの校則かと思われがちだが、二大勢力の桜庭学院と違って、藤城学園は校内における校則はゆるやかだった。
「見ていい?」
笑満がなんだか嬉しそうに言うので、こっくり肯いた。
笑満は私が手を離したところを見て、にやにやしだした。
「可愛いねえ。桜と月」