朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「………」
桜は自分で月は流夜くん、とは、照れて言えなかった。
けれどなんかわかった顔を笑満はしている。
笑満はかなり聡いから、流夜くんの考えも読まれたかもしれない。
「流夜くんも可愛いことするねえ。咲桜にすごく似合ってるよ」
ほっこりと笑顔を見せてくれたことで、自分がこれをつけていいと言ってもらえたみたいで嬉しくなる。
「うん……たからもの」
「だよねえ。遙音くんに教えなきゃ」
「……またからかうネタにする気?」
先輩は流夜くんをからかったりするのが大すきなようだ。
流夜くん側である私は渋面になる。
「勿論。あたしは咲桜の味方だけど、流夜くんの味方じゃなくて遙音くんの友達だから」