朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
side流夜12
「……今度はなんだ」
「昨日めっちゃ楽しかったんだよねー」
「だったら浮かれてろよ。なんで壁際で落ち込むんだ」
また遙音は壁際で小さくなっていた。俺はため息をつく。なんだと言うんだ。
「……笑満ちゃんって咲桜のこと大すきだよなー」
「……やらねーぞ」
「わかってるよ。やきも神宮」
「あ?」
「お前はいいよな。昨日は咲桜とデートだったんだろ?」
「……なんで知ってる」
昨日、こいつが背後にいる気配はなかったはずだ。