朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】


「笑満ちゃんに訊いた。咲桜がいないから遊びませんかーって誘われて、俺は数年ぶりに幸せな時間を過ごしたのでした」


「……でした、で終わらせていいのか? それ」
 

浮かれるほど楽しかったのだろう?
 

頬杖をついて壁際の遙音を見遣る。


「……神宮はいいよな」


「だからなんだよ」
 

同じことを繰り返されて、若干イラッとした。


「……咲桜、親父さん華取本部長じゃん」


「………」
 

松生の家族のことか。合点がいった。

< 235 / 336 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop