朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「笑満ちゃんに訊いた。咲桜がいないから遊びませんかーって誘われて、俺は数年ぶりに幸せな時間を過ごしたのでした」
「……でした、で終わらせていいのか? それ」
浮かれるほど楽しかったのだろう?
頬杖をついて壁際の遙音を見遣る。
「……神宮はいいよな」
「だからなんだよ」
同じことを繰り返されて、若干イラッとした。
「……咲桜、親父さん華取本部長じゃん」
「………」
松生の家族のことか。合点がいった。