朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「当たり前だろ。壁とか樹とかコンクリート塀とか。ストレス発散にはなるけど、怪我するだけだ。適度でやめておけよ」
「……さすがだな、神宮。でもコンクリート塀って」
「それ殴ったのは吹雪。あいつは怪我するどころか破壊してた」
「………春芽こえーな」
てかそれって器物破損だろ。
的確な指摘だ。
「……友情、なのかなー」
天井を見上げて、遙音は呟いた。
「……わかんね」
わからないのは、友情だけに収まりきらないからではないのか。
言おうかとも思ったが、遙音は、答えは自分で突き進んでいくタイプだ。
下手に周りが手を貸すと、遙音が進んでいる道に寄り道逸れた道を作ることになると、今までのことから知っている。