朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】

side咲桜13



「咲桜、昨日一緒にいたの、誰?」


「え?」
 

教室に入ってすぐに頼に捕まった。


寝惚けていなくて、入り口に立ってまるで私を待っているかのようだった。


「昨日?」
 

――は、流夜くんと一緒だった。楽しく一日デートしていた。


……まずい。


「あ、昨日はね、父さんの関係でおつかいに行ったよ。そんときに何人か逢ってるからどの人かわからないんだけど……」


「在義パパの?」


「うん。仕事関係だから、頼にも言えない。ごめんな」
 

顔の前で両手を合わせて謝ると、頼は「ふーん」とうなった。


私が在義父さんに関わることで手伝いをしてることは知っている頼だ。


なんとか言い逃げしたけれど……。
 

まずい……まさかとは思うけど、頼に見られていたんだ……。
 

こいつ、マナさん並に神出鬼没だからな……。

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