朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「咲桜?」
後ろから笑満が顔を覗かせた。
途中で委員会の先生に呼び止められていて、私より遅れて来たんだ。
……笑満には。
小学校時代、笑満が転校してくる前のことではあるけど、頼が私にしたことを知っている。
知っていて、私たちの友達でいてくれる。
流夜くんのことも話したように、頼の言葉も話しておいて大丈夫だと思う。
――話してしまって、少し気持ちを軽くしたかったのも本音だ。
すぐにホームルームになってしまったので、私は一限の放課に笑満を連れ出すことにした。
頼は、やはりなにか気づいているのだろうか。
休み時間だと言うのに机に突っ伏さずに起きて、誰ともなしに辺りを見ていた。