朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
探ろうと思えば過去の新聞記事なんかからは簡単に見つかる、結構大きく取り上げられた事件だった。
俺の方は特に隠してないんだけどな……。
たとえ聞かされても気分を害すだけだと、自ら話すようなことでもないと思っているので、誰かに話したのは咲桜を入れて二人だけ。
しかし詮索されれば、面倒にならないうちに話すことを厭(いと)わない。
なので、それが日義に知られても別段咲桜が気負う必要もないのだが、どうもそれも違うらしい。
ふと、前方に目がいった。
一階の廊下。
登校してきたらしい影があった。