朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「……頼を止めるしかないのかな」
手っ取り早い最終手段だ。
この十年かかっても無理だったことだけど、今はそうするしか思いつく解決方法もない。
笑満は大きく肯いた。
「それならあたしも手伝うから、不用意に行動しないでよ? それからね、咲桜。もしかしたら心配してるかもしれないから言うけど」
笑満は膝を折って、椅子に座る私に目線を合わせて来た。
真っ直ぐ正面から捉えてくる。
「咲桜は、流夜くんにこのことを言わなかったりすることで、嫌われるっていう心配はしなくていいと思う」
「………」
「愛されてんだよ、かなりね」
にっかり、笑って笑満は言った。