朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
すれ違いざまに言われただけでは、学内での認識かとも疑っていた。
教師神宮(おれ)と咲桜が、個人的に仲良くなっていることに気づいた、と。
それが今、決定的なことを言われた。学外での。
「………」
思わず咲桜の肩を摑む手に力が入ると、咲桜は勢いよく振り仰いできた。
「頼! 先生は父さんの関係なだけだ! だからお前は――
「関係性なんてどうでもいいんだ咲桜。先生! 早速俺の被写体になってください!」
――日義は嬉々としてそんなことを叫んだ。
「……はい?」
……被写体?
意味がわからず問い返すと同時に、咲桜が頭を抱えた。