朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「そんなことはどうでもいい! 咲桜以来の黄金比率ですから絶対逃しませんよ。実は先生には以前から目をつけていましたからね」
「………」
怖い。
頼は懐からカメラを取り出した。一眼レフだった。
どこに隠してたんだ。
「さあ先生! ――いや咲桜、普段は先生をどう呼んでいるんだ?」
「え、流夜くん……?」
「マジか! じゃあ流夜くん感を出さないと……」
どんな感だ、それは。
ぐいぐい迫ってくる日義は、こいつってこんなにアクティブだったか? と信じられないほどテンションが高い。
「さ、咲桜? な、んなんだこれは……? 遙音といい、ここの首席は変わったのばかりなのか?」
最早、教師のツラをする余裕がない。
正直、目の前の生徒から身の危険を感じる。
「はるおと――? 夏島先輩のことですか? 先生、夏島先輩とも知り合いなんですかならば是非紹介してください! この前笑満が連れて来かけたんですけどなんか逃げられたんで――先輩のこともなかなかの逸材と思っていたところですっ」