朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
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「ごめんなさい……」
「いや……お前が謝ることではないけど……疲れた……」
結局、写真を撮られることがまずい俺は、遙音を生贄にして日義から逃げてきた。
自分の写真は駄目な代わりに、遙音を紹介する、と言うと、日義は渋々ながら引いた。
旧館の資料室に入って、ぐったり椅子にもたれかかった。
傍らには咲桜が、申し訳なさそうに立っている。
「でも、大丈夫かな、遙音先輩……」
「あいつはノリがいいから喜んで受けるんじゃないか?」
咲桜は未だに申し訳なさそうな顔をしている。
それが気に入らなくて手招きすると、すぐに傍までやってきた。
「大体、なんなんだ? あいつは。日義ってあんな性格なのか?」
咲桜の指を絡め取り、そのあたたかさに癒される。
一日ぶりの咲桜だ。少しくらい触ってもいいだろう。
咲桜は困ったような顔で話し始めた。