朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
なるほど? あの様子で追い掛け回されたならば警戒もするだろう。
合点がいった。
けれど……そういう意味でも、咲桜が誰かと一緒にいると決めたというのは気に喰わない。
「……どうして、俺に話してくれなかったんだ?」
話してくれていたら、咲桜一人で悩ませなかったものを。
やはり無理にでも訊き出しておくべきだったか。
「高校は……頼のチャンスだったから」
「どういう意味だ?」
「頼、私を追い掛け回した所為で、小学校で私以外友達がいなかったの。笑満は転校生で、元が私の友達って縁で頼とも仲良くなったから。中学校ではたまに暴走してまた同級生ドン引きさせてたし」
「………」
聞くほど恐怖が増す生徒だな。