朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
side咲桜17
そう言われても、すでに流夜くんの膝の上にホールドされているので、私はこれ以上近づきようがない。
「こっち向け」
促されて顔を向けた。
―――触れてもいい、二日ぶりの、流夜くん。
私も感極まってしまい、その肩に額を押し付けた。
頼のことは、どうすれば解決するかわからなかった。
と言うかそもそも、私に対しての執着も解決していないのに――十年がかりでも解決してないのに。
頼に目をつけられてしまえば最後だ。
一生追いかけられる。一生なんてまだ生きてないけど、そんな気がする。
だから流夜くんのことは知られたくなかった。