朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「……咲桜が怖がることや嫌なことを、日義はしなかったか?」
「そういう心配はないよ。大丈夫」
「そうか」
なら、一安心か。流夜くんが小さく言った。
「咲桜、顔あげて?」
「………」
伏せがちだった私の瞼も一緒にあがった。
流夜くんの手が、そっと首筋に触れる。
最初に問われたときは過呼吸に陥ってしまったけど、少しずつ大丈夫になってきたみたいだ。
桜と月は、私の首元に、つけたときと変わらずある。