朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「あ?」
「咲桜にも言ったよな、俺。『彼氏の隣似合う』って。先生にも言ったと思うけど――二人が並んでいるの、俺にはすごく美麗に見えるんですよ。勿論、黄金比率の二人が揃う奇跡にも感動しているわけですが。なので今、先生と咲桜を一枚の写真に収められるのは、俺にとっては願ってもない僥倖(ぎょうこう)なんです。――意味、通じてますかね?」
「………え、どういうこと?」
遙音が間の抜けた声を出す。
今回のこと、遙音は一切知らない。
とんだとばっちりだったな。
「俺はあなたに芸術的価値しか見ていません。安心してください」
「……すごい台詞だな」
「頼はあれで通常運転です……」
俺に答える咲桜の言葉も疲れ切っている。