朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
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「松生は知ってたのか……」
「遙音先輩の、昔のご近所さんなんだって」
流夜くんの部屋を訪れると、お風呂上がりだったらしく濡れた髪を拭きながら出て来た。
取りあえず、私の心臓は決壊した。
煙を噴いて固まったのを、引っ張って引き入れられたのだった。
「そんな無防備な格好で玄関まで出ないでください!」
真っ赤な私が怒鳴ると、
「咲桜だったから出ただけだ。他の奴なら放っておく」
とのお返事があった。
私以外だったら堂々と居留守を使う気なのか。
そう言って睨むと、
「面倒だしな」
と、関心のない返事だった。
……やっぱりどこかずれてるんだよなあ。