朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】


「神宮! いいのかよツラさらして――」


「しょうがないだろ。生徒ぶっ飛ばして記憶トバすわけにもいかねーし。お前、俺には興味ねーんだろ?」
 

完全に素で話す俺に、咲桜は冷や冷やしているようだ。


「……本当に、神宮先生?」
 

日義は疑わしげな顔をした。顔を見せた方が信じてもらえなかった。


「どうやって偽物になるんだ」
 

一度も目の前から消えてもねえだろ。


「咲桜。婚約者って本当?」


「日義」


「咲桜に訊いている。本当なのか?」

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