朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
7 ~~~流夜くん!
side流夜18
咲桜を抱きしめて、これほどまでに誰かに護られていると思ったことはない。
日義の問い詰めに対する咲桜の過激な発言には正直面喰ったが――自分がそうはさせない。
絶対に大丈夫にする。
卒業式まで待つというあの発言は、本当に全部咲桜のためだ。
そこが少し悔しいけど――長い友人は、咲桜を傷つけることは厭うのだろう。
アパートの駐車場に車を停めると、部屋の前に人影があった。
どう見ても俺を待っている姿は日義だった。
昼間の件、まさか気が変わったとかいって押しかけて来たのではないか。
日義の普段生活の態度からしてありうる。
車を降りた、その扉が閉まる音で気づいたのか、日義はゆっくり顔を向けた。
覇気のない表情。
これこそ俺の知る『通常運転の日義頼』だった。
「どうした」