朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
準備をしていると、背後から声がかかった。
「咲桜、ここに来るんですか?」
「……たまにな」
お前が怪しい動きをするまでは毎日来ていてくれたのに――と恨み言を言いたくなったが、わざわざ弱みを握らせる気はない。
「ふーん」
「お前、俺には興味ないんだろ? 何しに来たんだよ」
卓にカップを置いて尋ねると、日義は軽く頭を下げた。
「先生には興味なくても、咲桜の旦那には興味あるんで」
爆弾を落とされた。