朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「なるほどですね。咲桜が本気になったのは一瞬疑いましたけど――ま、いっか」
言って、お茶を一気に飲んだ。
「あと、なんで格好変えてるんですか?」
「……警察事案に関わっているからだ」
これは言うまいと思っていたが、また妙な行動力を発揮されて首を突っ込まれたら厄介だ。
それこそ事件に巻き込まれでもしたら。
「ああ、咲桜の親父さん警察ですもんね」
またもやすぐに肯いた。あまり深くは考えない性質なのだろうか。
そこで、頼はにやっと笑った。
「ホンモノは、こっち」
トン、と頼が机を指で弾いたので、肯定の意味で肯く。
学校での俺は、いわば作りもので、あるいは偽モノ。