朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
自分も咲桜に対しては大概だとは思っているが、朝間先生はそれ以上な気がする。
「なら先生も入ってください。不埒な真似はしません」
言うと同時にインターホンを鳴らす。
待ちかねていたようにすぐに扉が開けられた。
「流夜くんっ、大丈夫? 誰かに尾行られてない?」
「問題ない。あの人は問題あるけど」
まだ、咲桜の不安は完全に払拭されていないようだ。
日義からの言葉を伝えて早く安心させたいところだが、鬼の見張りがいるのでなかなかどうしようもない。
「夜々さん?」
問題、と言われて咲桜は、またかこの二人は、という顔だ。
「俺が不埒な真似をしないか不安なんだと」
「……夜々さん。そういうの大丈夫だからっ。とりあえず二人とも入って?」
咲桜に引っ張ってこられて、朝間先生も華取宅へ入った。
俺が最後になったので鍵を閉める。
「夜々さんもご飯食べてく?」