朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「大丈夫だよ。流夜くん変なことなんてしないから」
信頼……されているのか?
微妙な気持ちになるが、朝間先生に言い切ってくれたことは嬉しい。
やっぱりすきな子には信頼されたい。
玄関で朝間戦先生を見送る。最後まで俺には辛辣な態度だった。
咲桜がガチャッと鍵を閉めたので、一応訊いておく。
「在義さんは?」
「今日は泊まり込みだって。さっき連絡きた」
現場主義な在義さんも、変わらず忙しいようだ。
若干焦りを感じたが――それよりは、咲桜を安心させたい。
咲桜に向かって手を差し出すと、取ってくれた。
また重なった手に嬉しさを感じる。
そのまま導いて、リビングのソファに座った。
抱き寄せていると、現実感が伴ってくる。
「日義にはびっくりした……」