朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
てっきり、咲桜とのことをバラすといった方に脅されると思っていた。
ところが、隠れていたのはあんなテンションだったとは……。
思いっきり引き寄せると、長い髪に顔を埋める感じになった。
咲桜の顎が俺の肩に乗っているのがわかる。
「昔っからああなんだ」
「そのようだな。今度咲桜の写真見せてもらうことになったから」
「なんでっ? 頼と話したの?」
「さっきうちに来た」
「だ、大丈夫だった……?」
ばっと離れた咲桜の顔が蒼ざめる。
どこまでも心配してくれるんだな。
「大丈夫。咲桜のこと、頼むって言われた」
「え……頼に?」
「ああ。婚約のこととか、大雑把にだけど話したら納得してくれた。バラしはしないとも言った」
「そ、っか……よかった……」