朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
突然、突き放すようにそんな宣告をされた。
平坦な声に驚き、はっと顔をあげた。
在義さんがキッと睨んでくる。
「お父さんと呼びなさい!」
「………」
……はい?
俺は、驚きが過ぎて声が出なかった。
ものすごく怒った顔で言われた……言葉の聞き間違いをしただろうか?
「言っただろう、流夜くんだったら婿でいいって。だからもう他人行儀にしなくていい。咲桜は『父さん』呼びだから、実はお父さんと呼ばれることには憧れがある」
「……はあ」
憧れ?
いまいち言い分が理解出来ないでいると、在義さんは更に続けた。
「さっきの状況の責任はとってもらう。流夜くん、君、今日からここで暮らしなさい」
「……はい?」