朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】



「咲桜、調子悪い日は来なくていいのに」


「……違いますよ」


「いや、ぶっ倒れるって明らかにおかしいだろう。むしろ俺が看病しに行くから呼べ?」


「………」
 

まだ目の回っている私はローソファに転がって、必死に流夜くんを見ないように背を向けていた。


その様子がやはり癇に障るらしい流夜くんは、傍を離れない。


色々言って自分の方を向かせようとするけど、私は意固地になって背もたれにかじりついていた。


「……俺から逃げないって言っただろ」


「……言いました」


「じゃあこっち向け」


「これは逃げてはないです。目を背けてるだけです」


「同じだろう」


「……流夜くんは自覚ないんですよ」


「………」

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