朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
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side遙音
「そんなことあったんだ……」
俺は笑満ちゃんと公園にいた。
俺が出くわしたと出来事を聞いて、笑満ちゃんは長くため息を吐(つ)いた。
ベンチで隣に座る俺は首を傾げた。
「笑満ちゃんは……知ってたの? 日義のこと」
「うん、まあ。でも、頼が咲桜を追い掛け回したのは小一の頃で、あたしが転校した頃にはもう大分落ち着いてたから、はっきり見たことはなかったけど」
「……抵抗なかった? あんな奴と友達でいるの……言い方悪いけど」
「あたしが友達になったのは咲桜の方なんだよ。頼は咲桜にくっついてきた感じ」
「おまけ扱い?」
「そんなとこ。……ふつーにしてればただの頭いい奴なんだけど……」
はー……と、笑満ちゃんからまたため息が出る。
ただの頭のいい奴というのもすごい表現だなあ。
「咲桜が、頼に同性の友達作ってほしいって思ってるのは知ってたから。いつまでも自分だけじゃ駄目っていう意識、咲桜強くて」