朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
情けなさとか不甲斐無さとかが入り混じって、私の声は泣きそうだった。
だって流夜くんのいるところはすきだから。
安心の大きさが、他のどことも違うから。
「それは困る」
「……うう……」
そう言われて、私は唸った。
すると、そうだなー、と流夜くんも呟く。
そして、私の方を見て一言。
「取りあえず慣れろ」
「力技過ぎるよ!」
「手っ取り早いだろ」
「むしろ短絡過ぎるよ!」
簡単な解決策だが、私にはとんでもなくそうではない。
「ならこうするか」
「わっ!」
くるりと反転させて、お腹に手を廻して抱き寄せられた。
私の背中が流夜くんの胸にくっつく形だ。