朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「ほら、起きてください。あまり遅くなると在義父さんに怒られるし夜々さんにも心配かけるし、被害は流夜くんまで及びますよ」
急かす咲桜に、うーんと唸る。
「……構わない」
「構ってよ!」
まだ咲桜は怒鳴る。
少しは落ち着け。
咲桜の髪に口元寄せるように抱き寄せると、今度は冷えた応答があった。
「流夜くん。……起きないと二度とご飯作りませんよ」
「ん?」
ぱちり、と両瞼があがる。
「あれ、……咲桜? 本物?」
「さっきからずーっと私は本物でしかないです。目が覚めないようだったら眉間に一発いれましょうか」
「……すまん、頭が廻らない」
「えい」