朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
しかし咲桜も、俺が起きるまで大人しくしていたとは……忍耐力あるな。
「寝不足なんですか?」
咲桜に一発喰らった額がまだ痛い。
本気で拳ぶち込んできたよこの子。
眉間って結構危ないのに。
咲桜はお茶を淹れなおしてくれていて、それから送っていくつもりだった。
「まあ……あまり眠れない体質みたいだ」
「そうなの? でもさっきかなり寝込んでたみたいだけど」
「………」
咲桜が腕の中にいたからだ。
やっぱり、そうだったらしい。
ここまで決定的にわかれば否定する理由こそない。
咲桜がいてくれたら眠れる。
けどこんなこと、本人に素直に言っていいものだろうか……?