朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「……誰かいてくれると、安心するとかじゃないか?」
「ああ、あるよね、そういうの」
咲桜はそう答えてから、何かを考えるように黙り込んだ。
……また爆弾を考えてないだろうな? 少し心配になる。
「わかった。眠れなかったら私呼んで。抱き枕でも安眠枕でもなんでもなるから」
「……は?」
何がわかったんだ? また変なことを言い出した。
そしてやっぱり爆弾じゃねえか。
「だからさ、私が傍にいることで寝れるんだったら、私傍にいるから。家族になる宣言の実行案だよ」
「………」
得意げな咲桜に言葉のない自分。
純粋な顔で言わないでほしい。自分は大分邪だから。
……どうにかしてその辺りに気づかせないで回避したい。
言葉を駆使する。