朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「……それは無理だろ。俺がここに帰ってくるの、明け方のときがほとんどだ」
……ろくに駆使出来てねえ。
「あ、吹雪さんとこ?」
「毎日行ってるからな」
吹雪のいる資料庫で、過去の事件を漁って、未解決の事件をお宮入りする前に解決する。
それが、俺が毎日していることだった。
お宮入りとは、迷宮入りのことだ。
解決しないまま時効を迎えた事件のことを、『迷宮入りする』または『お宮入りする』と言う。
「んー、じゃあ学校から帰って来てからの、さっきみたいな時間は? 少しでも眠れたらいいでしょ」
「お前、さっきので困ってたんじゃないのか?」
素直な言葉に、素直に疑問が浮かぶ。
拳を撃つくらいに困っていたんだろうが。