朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「まあ、在義さんを崇敬する俺らだったら感染してもおかしくねーな」
「そうなのか……じゃあ、咲桜をほかの奴の嫁にやりたくないってのも、在義さん的立ち位置の心情なのか……」
「そこは俺が嫁にしてーって言おうよ」
……は?
「……俺?」
降渡は失言でもしたみたいに、しまったという顔をした。
そのあと「ちっ、気づかれたか」とか呟いている。
……どういう意味だ? おい。
「ごめん、ふゆ。失敗」
「いいよいいよ」
降渡が俺の正面に移動して、両肩をがっちり摑んできた。
うざい。
「あのな、りゅう。悪いけどそれに俺らは感染しねえ」