朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
すぐ近く、角を曲がった先に吹雪がいた。
「お前……」
いつからそこにいた。
「結構最初から聞いちゃった。流夜ってアホだったんだね」
「………」
今はその言葉も否定出来なかった。
「流夜、今日はもう帰りなよ」
「は? まだやること残ってんだろ――」
「僕の周りに」
吹雪は冷えた瞳で睨んできた。
「色ボケバカはいらない。邪魔だ」
「……お前相変わらずひでーな」
よくそんな毒舌ばっかりでいられるよな。
「少しは傷付きなよ。色ボケばーか」
今度は呆れたものを見る瞳で見られた。