朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
「……これ以上僕の周りでボケたことぬかしてると咲桜ちゃんと出逢った記憶ぶっ飛ばすくらいに殴るよ」
「それは困る」
し、嫌だ。
「なら、鈍感でいることを自分にゆるさないことだね」
いつも通り鋭くしてなよ。そう言って、吹雪は踵を返した。
(……鈍感でいること?)
意味がよくわからない。
けれど、意味がわからないことこそ、吹雪の言う『鈍感』なのだとは、わかった。
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