朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】
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「……情けねえツラさらすんじぇねえよ。仮にも俺の弟子が」
「……すいません」
《白》の猫の鈴を鳴らすと、師匠に一喝された。
「しけたツラする奴に出す茶はねえが、今耳は暇だ」
「………」
龍さんの優しさは摑みどころがない。今に始まったことじゃないが。
自分の祖父のところに犯罪被害者の子供を預けるとか、並じゃないよな……と改めて思った。
龍さんの祖父も大概な性格だったが。
大概、雑で大雑把で無頓着で頓珍漢で荒唐無稽で破天荒だった。
あの祖父に育てられたことを思えば、龍さんはましに育った方だろう。
同じように龍さん祖父に育てられたうちの一人である俺は、色々受け継いで育ってしまった部分が否定出来ないので若干恨めしい。