朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】


「だろ? だからそれはお前だけの感情だろ。他のところへ嫁にやりたくない? ちげーだろ。もう少し自分の頭ん中解釈しろよ」
 

そんなことを言って、元いた場所に戻って行った。


……解釈出来たら最近困ってねえんだよ。
 

本当に最近なのだけど、ふと浮かんだ言葉や感情に、自分でツッコミを入れていることが何度もある。


それこそ、頭の中が解釈出来ていない。


今までになかったことで、どう解決したもんか悩んでいるところだ。


「例えばさー、愛子の目的に対抗して、咲桜ちゃんに彼氏出来ましたつって、お前は偽婚約を解消出来るの?」


「………」
 

降渡の問いかけを考える。


しかし答えにはすぐに行きついて、その答えに自分で愕然としてしまった。


「……ゆるせなかった……」
 

え? は? なんで? 咲桜に彼氏が出来れば、咲桜の結婚を政略的に使われる可能性が少なくなって、伴って、俺との偽婚約も解消、咲桜も俺も愛子の企みから自由になるわけだ。


……けれど、咲桜に彼氏、という存在にイラッとしてしまった。

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